[0036] 正月in遠野家【月姫SS】 (2003/01/07)
振袖を着た秋葉が次々に現れる訪問客に(似非)笑顔(+毛先ちょっと赤)で対応。 秋葉に次々と手渡される尋常ではない厚みの熨斗の御年玉袋。 それを階段の裏から盗み見る志貴。 志貴「…『お年玉』だからって渡せないなぁ…すでに……いっその事弟に生まれれば……」 志貴の手には「おとしだま」と書かれた袋の中に硬貨の中では一番高価な硬貨が入っていたという。 解説:何とかフリーズせず、かつ相も変わらずつまらないネタが浮かんだので。 同時に思いついた後日談をば。そっちのが長いってどうよ。 ---- 志貴「こんなんじゃなぁ…あんな凄い札束の後に渡せないし…」 呆然としたまま自室に閉じこもる志貴。ヒッキー一歩手前ら辺。 ガチャコーン! 窓ガラスが割れる音と共に鮮やかな色が志気の前に。 アルク「やっほー志貴ー遊びに来たよー」 志貴「…ア、アルクェイド、お、お前それ…っ」 アルク「えへへー、どう?似合うかなぁ」 鮮やかではあるが派手ではなくかといって、安いものでは明らかにない振袖でかつ髪を結い上げている。 志貴「似合う!似合う!けど、お前それどうしたんだ?」 アルク「んとね『日本の正月』って本読んだのーえへへ、志貴に喜んで貰えて良かった♪」 アルクェイドの純真さに思わず涙ぐむ志貴君。 志貴「! そうだアルクェイドほらこれをあげるぞ」 アルク「あ!これ『お年玉』っていうの? わーい!志貴ありがとー!」 思いっきり志貴に抱きつくアルクェイド。志貴もまんざらではなさそうで。 志貴「やっぱ喜んで貰えると嬉しいなぁ」 …そして。 志貴の部屋に仕込まれた盗聴器から流れる音声を居間で聞く人々。 翡翠「………」(無表情ながらも時々肩を震わせ) 琥珀「あはーこれは志貴さん後で地下室ですねーねー秋葉様ー」(表面上嬉しそう) 秋葉「………ええそうね、琥珀、準備をしておいて頂戴」 (つい五分前まで「あれはっあれはっ私のだったのにっ!兄さんの馬鹿っ馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿っ!!」と地団駄を踏みながら、手に持った百万を越える札束が入った袋を一瞬で略奪し、氷の薔薇の様に粉砕し、目の前に居た琥珀の血を吸っていた人間と同一人物だと思えない冷徹な表情で) 秋葉「兄さんにはちゃんとした調教…いいえ教育をして頂かないと」 まさかこの五分後、危険を察知したのか志貴がアルクェイドと共に窓から脱出するとは思わずに。 翡翠「……」(口元に薄く笑顔を浮かべて) 琥珀「あはー」(ものごっつ嬉しそうに) 秋葉「…ふふ、うふふ…」 気味の悪い笑い声が丘の上の屋敷に響いたという。 -end- |