[0049] 最新鋭技術(続続・着脱)【月姫SS】 (2003/01/23)
昔までのあらすじ:着物の着付けが出来ないことから枠外にされてしまった秋葉。努力をしてみたものの、時間と金が無駄に無くなっただけだった… 秋葉「はぁ、はぁ………駄目だわ、このままじゃ本当に妹のままになってしまう…何か、何か方法はないのかしら…仕方ないわ…琥珀? 琥珀?」 ガシャコン!と紐を引くと同時に床からどう贔屓目に見ても動物用の檻としか思えない箱がせり上がり、中に青白い頬をした琥珀がいる。 琥珀「あら秋葉様駄目だったんですねー、これじゃあ和風好みの志貴さんには捨てられて当然ですねー」 顔色に似合った黒っぽい笑顔な琥珀。 秋葉「減らず口をこれ以上叩くと吸いきるわよ?」 顔も髪もまっかっかな秋葉。好対照である。 琥珀「はーい(何も言わなくても吸うじゃないですかーとは言えませんねギリギリですし)」 秋葉「…着物の着付けがあっという間にできるようにできないかしら?」 琥珀「仕方ないですねー! さて、ここに最新鋭の着物があります。これならどんな大雑把で壊し屋でぶきっちょさんでも1分で着付けられるという優れもの!」 秋葉「間に挟んだ単語はともかくそれを用意して頂戴」 琥珀「はーい、でも、いいですか? それを着るとあるものが手に入った後、後でなくなったりするものがありますけど」 秋葉「兄さんさえ手に入れば後は何もいらないわっ さあ、よこしなさい」 琥珀「警告しましたよー はい、どうぞ」 鮮やかすぎる程赤い着物とその上には説明書が。 秋葉「ふふ、ふふふふふ…これで、これで兄さんが私の、私だけのものに…」 -逝っちゃってる目の秋葉を横目で見ながら- 琥珀「さて、和の心の微妙な侘寂がわかりますかねー」 ・ ・ ・ 夕暮れ、離れ、紅葉、赤い着物とシチュエーション的にはもうこれ以上ないってぐらいで。 秋葉「兄さん、どうですか?」 そんなこたーいわれんでも萌えたり燃えたりするわけで。 志貴「………(ビシイッ)」 とんでもない笑顔で親指を立てたりして。 秋葉(これで兄さんはもう私、私だけの物!メイドも幼馴染みも猫もカレーも関係ないわっ!ついについに手に入れたわ兄さんをっ!) 秋葉の脳内に天使のラッパ音が聞こえたりして。 秋葉「あの…その…」 志貴としてはもうこれ以上もちろん我慢できない訳で。 立ったまま秋葉の腰帯を外して。 ぴらり。 ぱたん。 志貴「…………」 ぴらり。 ぱたり。 志貴「…………………」 秋葉「あの、兄さん、その…これは」 ぢーーーーーーーー。 顔を赤くしながらも秋葉が音と共に自分で脱いでいく。 秋葉「………に、兄さん」 志貴「…………う」 秋葉「う?」 志貴「嘘だ」 秋葉「え、何がですか兄さん」 志貴「嘘だこんなの嘘だ、い、嫌だ!一枚の布だけで作るのが着物、するりと脱げてこそ着物!偽物魔物まがい物ー!やっぱり着物で行くなら…琥珀ー琥珀さーん!」 志貴君退場。 残されたのは、最新鋭の着物と秋葉。 呆然。 愕然。 秋葉「…チャックで楽チン着物……チャック…簡単なのに……」 …ぷる。 秋葉「駄目なの?チャックは駄目なの?兄さん……」 ……ぷるぷるぷる。 秋葉「こ……は……く……」 ……ぶちん。 秋葉「兄さんがこうなるの知っててやったのねッ!干涸らびるまで血ィ吸うたるわコルラァッ!!」 当然、琥珀は志貴を連れて逃げた後だったりして。 結局秋葉が一番手に入れたかったものは手に入らなかったという。 琥珀「私に勝とうだなんて百万年早いですよー」 解説:微妙に続きそうなSSが溜まってますというか、何か最初のノリがいいと続き物にしたくなって後半書きたくなくなるという、オフラインで書いてる小説と同じ症状が。 着物シリーズは後は1本書くかどうか微妙(笑)。 あるんですよ、チャックで着れるのとか、上下分かれてたりとか。女の子は便利でいいかもだけど。 和的には凄く嫌ですね個人的に。あーあと、ボタンでワンタッチ帯とか。 -end- |